最終話「クリスマスは愛と涙と感動だ!」

脚本:野島伸司

演出:楠田泰之

 

いやー、すごい。

僕もいろんなドラマ観てきたつもりだけど、今までで一番すごい。すごいっていうか、ひどい、っていうか、最低っていうか…。だけど、すごくひどくて最低なんだけど…最高なんだよね!

 

だって、最終回の大ネタが腕相撲対決!!しかも、第5話のVS宇梶チームとのリベンジ!という伏線を謎に回収するっていう。やっぱすげーな野島伸司!ってか、この時代。意味わからん。しかもしかもなんでか最終的にバルセロナ出身のマッチョが現れてボクシング対決に変更っていう。これに約10分!最終回だっていうのに、もっと描くことあるだろ!!…いや、うちのドラマにはそんなもんねーよ!!っていう勢いも感じるな。

あと、さすがの野島伸司だったのが、KONTA先生が和久井映見に告白?したシーンで、それが和久井映見を書いた油絵が入選したって話なんだけど「君の絵で初めて入選したよ…」っていう、この部分だけ妙な生々しさがダダ洩れで、画面の中では「…先生(ハート)」ってなってるはずなのに、画面の外の僕は、その油絵のタッチも相まって気持ち悪くてしょうがなかった。「高校教師」の峰岸徹が描いた桜井幸子みたいなタッチ。このドラマ自体はポップなのに、あの油絵だけ「高校教師」的劇画タッチっていう。「高校教師」がわかんなかったら「家なき子」的とでも言いましょうか?ああいう劇画感?…ってどっちに例えても古さ一緒か。

 

で、最終的にクリスマスだから「赤鼻のトナカイ」を合唱して、「愛しあってるかい!!!!」で、「アユレディー!」の「学園天国」byキョンキョン主題歌突入っていう…。ああ、すごい時代。こんなに中身なくてもみんながドラマ内の楽しさ、テンション、かっこよさ、かわいらしさ、ファッションを愛でるためだけで物語に熱狂できた時代…。最高だね。

 

で、野島伸司ドラマとして見た場合、若干の野島伸司的セリフはあるもののポエム感は皆無で、生々しさがやや残るかな?というくらい。人間関係の配置や関係性、会話や展開の巧さも前回程さして感じなかったし…。ただ、野島伸司的世界観がただただ薄かっただけかもだけど、野島伸司ドラマによくある、良くも悪くも“言わされてる感”は一切なかったくらい、全員がキャラクターをものにしいた。だからこそ多くの視聴者が熱狂したのかも?ってもっともらしいことを最後に言って締めておく。

 

※「愛しあってるかい!」はFODプレミアムにて配信中です。(記事作成時点)

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