みなさんこんにちは。自称テレビ研究員です。特にテレビドラマが大好きです。
ここでは、どうやらテレビの研究をしているらしい“自称テレビ研究員”が、今更振り返ってもしょうがない過去ドラマをなぜか1話ずつレビューしていくコーナーです。
レビューを読んでからでもよし、ドラマを見てからでもよし、日々のドラマライフの一助になればいいなと思っております。
っということで、最初は何がいいかと悩んだ結果。
つい最近平成が終わったというのに今更だけど、平成を代表する脚本家・野島伸司を今一度振り返った方がいいんじゃないか。と。
なので、知る人ぞ知る月9初期作で野島伸司のデビュー作、三上博史主演「君が嘘をついた」(昭和!)を第1話からいちいちレビューしつつ、野島伸司がいかにして売れっ子になったのか検証していく。せっかくFODはいってるし・・・
君が嘘をついた
1988年10月期・フジテレビ
脚本:野島伸司
プロディース:山田良明 大多亮
音楽:渡辺建
演出・楠田泰之
出演者:三上博史 麻生祐未 工藤静香 大江千里 鈴木保奈美 布施博 宇梶剛士 井上彩名 地井武男
第1話「純愛100%します」
「まばたきの仕方を思い出すまで、僕は彼女の瞳の中にいた」
いきなりなんという恥ずかしさ。
このセリフは主人公(三上博史)がヒロイン(麻生祐未)と初めて会った瞬間に語られるモノローグ。
今でこそ野島伸司=ポエマーだからねとその恥ずかしさはやや軽減されるけど、作風をまだ誰も知らない連ドラデビュー作で、しかもドアタマからこれだけの恥ずかしさを炸裂させるなんて、その自信と度胸こそがヒットメーカーに成り得た所以だなと、ファーストシーンから痛感。
またそのモノローグまでのシークエンスも秀逸。っというか恥ずかしい。
ショーウィンドウに並ぶハイヒール(残り1足、62,000円)
それを躊躇なく現金で購入する主人公
直後、その靴を狙っていたヒロインが現れる
買っていった人はどこへ?と店員に詰め寄る
必死で追いかけるヒロイン
スクランブル交差点
ど真ん中
発見
見つめあう
一瞬で恋
モノローグ
ノンストップドラマチック!
こんなんをいきなり書いてくる脚本家、ただもんじゃない。
さて、このドラマはヨットクラブの男友達3人と、毎週バーでイイ男探しに興じる女友達3人が、それぞれの身分を偽って出会い、恋に落ちていくという、“嘘”をフックにしたラブコメディ。
1988年放送のバブル真っ只中とあって、主要人物を修飾するのが“ヨットクラブ”や“バーでイイ男探し”というかなりの時代観で、しかも現代に置き換えたらヨットクラブという時点でどの角度から見ても上流階級なのに、それを市井の庶民として描くって、あの時代の“普通”の感覚とはいったいなんだったのか。
そしてみなさんおわかりの通りサブタイトルが「純愛100%します」といういきなりのハイテンション。
ついていける気がしない。
でもご安心あれ、このドラマは嘘をきっかけにしたラブストーリーなので、“純愛”で“100%”というのは皮肉なんですよ…
って、安心できるか!
ラスト、主人公が車でヒロインを送っていったものの電話番号を聞き忘れてしまって意気消沈…
ところが開いていた車の窓を閉めると、口紅でデカデカと書かれた電話番号!
トゥービーコンティニュー!!!
やべーよこのドラマ。
※っということで、「君が嘘をついたは」FODプレミアムにて配信中です。(記事作成時点)