脚本:北川亜矢子
監督:山本透
ストーリーラインは前作とほぼ同じだって言うのに、なんだろう、この全く違う感じ。
ドラマを楽しむ前提として、比べちゃいけないのはわかってるんだけど、敢えて比べるとしたら、前作の保奈美リカは、カンチにいつでも全力で、だからカンチは四六時中、リカと会ってない時間でも自分と同じように自分のことを考えててほしい…そんなリカ。おそらく令和版リカは、現代っぽく、恋愛にあっさりした雰囲気を出しちゃったので、カンチがさとみにフラフラすることくらい、なんてことない様に見える。今回で言うなら、カンチが嘘ついてたった1回、さとみと会っただけで本気で不信感を抱く…っていう前作と同じストーリーラインでも令和版アレンジのせいで違和感だし、勝手にやってろ感出ちゃうんだよね。あと、保奈美リカはカンチに全力で自分に向き合って!って懇願するんだけど、どこかで全力になるはずない…だってカンチの目の奥にはさとみがいるんだもの…ってのまでわかってるから、リカが単なる重くてウザイ女じゃなくて、せつなさが加わるわけだね…。
あと、さとみが三上くんに嫉妬して、スマホで、LINEで、表示されたアカウント名で、そっから検索欠けて、そっからインスタまでたどり着いて…って、今回この描写が最も現代的アレンジを加えた、加えられた部分だと思うんだけど、それによってさとみの本気度も前作と大違いな描写になっちゃった気がする。僕的印象として、さとみはカンチも三上くんにも本気じゃないんだよね。マジ感も全然ない。だからこそ腹立つし、だからこそなんでカンチはさとみなの…ってなるわけ。だけど、今回さとみ、あの執着は本気感はこれからだとは思っても、結構マジ感出ちゃってるよね。あと病み感。也実さとみはそりゃあまあ健康的だもんね、だからこそ腹立つわけ…。
って、平成版を称賛するただの懐古厨おっさんになってしまった。つまり比べたくないのに比べちゃうってのは、令和版にあんまりハマってないってことなんだな…。
しかも今回のラスト、カンチに不信感を抱いたリカは、和賀部長に電話しちゃう…って、ここも前作とほぼ同じ。この展開がまたね、前作はね………って、ダメだな。
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