君が嘘をついた
脚本:野島伸司 演出・楠田泰之
出演者:三上博史 麻生祐未 工藤静香 大江千里 鈴木保奈美 布施博 宇梶剛士 井上彩名 地井武男
第2話「一気にファーストキス!」
「あたしが恐いと思うのはね、天ぷら揚げる時くらいよ!」
お決まり展開の連続に若干萎えてきたところでガツンと目の覚めるような異次元のセリフ。これぞ野島伸司。
このセリフは、主人公に片想いする女子大生(工藤静香)が合コンで知り合ったギラギラ男子(東幹久)に帰り送るよと誘われ、一度は断ったものの「恐いの?」と挑発され返したセリフ。
こういうとんでもないセリフが一つでもあるとそれだけでフックになるからすごく大事。最近は展開の意外性ばかりを重視するドラマが多いけれど、セリフの意外性もかなり重要だな。
もちろん今回はそんな最上級の軽口だけじゃなく、
「5年ほどの寿命と引き換えに、僕は彼女との夜間デートにこぎつけた」
「いつの間にか弁護士であることを僕は忘れ、彼女と同じ宝石を瞳の中に詰め込んでいた」
と歯の浮くようなセリフも満載。
「5年ほど」の“ほど”の使い方や、一人称が“僕”の感じがまさに野島伸司的で独特ないいセリフ。正直二つ目のセリフは何言っちゃってんだか理解できないけれど、伝えたいことはわかる。ドラマを彩る、それができていれば何だっていい。
そして今回も、女性陣の職業がコンパニオンで駅前でタバコの試飲という時代観や、仕事中に堂々と友達と私用電話やデートプランの作成という呑気さに閉口するかツッコミ入れて楽しむかはあなた次第!(?)
前回の恥ずかしさMAXのラストと比較してもしなくても、今回のラストはさすがにありきたりでフックも弱かったな。この時代で、第2話で、その展開なら斬新だったのだろうか。
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