第7話「赤ちゃん抱いて授業はつらいぜ」

脚本:野島伸司

演出:斉藤郁宏

 

今回は陣内家の軒先に、昔の教え子の子ども(しかも乳飲み子)が置いてあって、さあ大変の巻。

 

この現代で見ると、倫理観とは何かね?と問わずにはいられません。

さすがにこの描写に関してはコンプライアンスクソだね!とは言い難し。

 

とは言えさすがのバブルテンション。

赤ん坊が捨ててあったって、元教え子の手紙が挿入されてて、身元さえわかれば、警察に電話するどころか、深刻さ皆無、周りも「大変ねぇ」と能天気。

しかもこのお話のオチが、ラストで捨てた親がやってきて、謝罪して「愛しあってるかい!」「イェーイ!」という、お馴染みのコール&レスポンス。「イェーイ!」じゃねーよ。

 

さらに赤ん坊を捨てたのが、チョロこと中野英雄(この頃の中野英雄は息子にそっくりだね)で、風貌がチンピラすぎて子供捨てる役とかやたらリアリティー出ちゃうじゃねーかよ。

また中野英雄もその3年後に、社会派として目覚める野島伸司脚本の「愛という名のもとに」で、チョロで、首吊っちゃうんだからね。中野英雄もまさかこのドラマで子供捨てといて「イェーイ!」ってオトされた脚本家に、3年後、殺されるとは思ってもみなかったでしょう。

 

っとこの中野英雄の伏線で思い出したけど、この捨て子のエピソードは2012年の「理想の息子」につながるし、教師と生徒の禁断は「高校教師」だし、前々回のトライアスロン・マラソン篇は「ひとつ屋根の下」の伝説の最終回、謎のマラソン大会につながるんだね…同じ永山監督だし…ま、マラソンに関しては無理矢理だけど、テイストさえ変えればいくらでも些細なドラマをも膨らませられる野島伸司、さすが。

 

※「愛しあってるかい!」はFODプレミアムにて配信中です。(記事作成時点)

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