第9話「感激!今夜は美女とお見合だ」

脚本:野島伸司

演出:永山耕三

いつもそうだと言われればそうだけど、開始1分でいきなり、今回のテーマ “お見合い”の段取りはもうできてて、その上「お見合い成功させるぜ!!」というフルテンションへ一気に助走なしで駆け上がってくもんだから、そんなくだりとか伏線…前回あったっけ?ってわざわざ前回さかのぼっちゃったよ。

だけどやっぱりそういう仕込みは前回一切なし。もうなんの説明もなく唐突に、視聴者全員がテレビのラテ欄のサブタイ確認してるか、予告で粗方内容掴んでるか、っていうかそんなんいいから始めるぜ!ついてこい!と言わんばかりのノーエクスキューズ!これぞこの時代のフジテレビ。なんでもかんでも説明説明って、しゃらくせー!視聴者なめんなよ!って話ですよね?80年代のフジテレビさん?

もうね、何を求めてるか、何をどうしたって視聴者はこのドラマについてくるっていう自信に満ち溢れてる。だってそうじゃなかったら、最終回前に何の脈略もなく、学園ドラマだっていうのに“お見合い回”入れるかね?そのお見合いも大して意味ないからね。シチュエーション的に。ただただ主人公たちの恋愛模様を少しかき乱すってだけ。お見合いである必然性ゼロだからね。だけど何かしら、ドラマだからシチュエーションを作らなきゃいけないんだ。学校の職員室や教室だけじゃ画が寂しくなるから、お見合いでももってくれば、ホテルのラウンジも日本庭園も出せて画が華やかになるわけだ。その格式ある雰囲気で登場人物全員がフルテンションなんだもん、画とのギャップ効果ですよね?

 

ってなんだか嫌みたっぷりになってしまいましたが、結局学園ドラマの体を成してるとは言え、これは月9、次回の最終回に向けて恋愛へと急激に舵を切らなければならないので、お見合いっていうTHE恋愛ドラマシチュエーションにして、こんな回を持ってきましたっていう話なんでしょうね。

 

まぁだけど、こんなアンリアルな世界なのに、先生のKONTAが生徒の和久井映見に本気になりかける…っていう場面で「俺は先生だから!(結構マジ)」というリアル…っていうんか、現実との抵抗を見せるって…こういう抗ってる部分が野島伸司なんだろうね。そういうのもあって93年の「高校教師」につながるかと思うと感慨深いわ…。

 

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