第1話「東京の女」
脚本:北川亜矢子
企画・プロデュース:清水一幸
監督:三木康一郎
いやー、いつの間にか始まってましたね!令和版「東ラブ」!
前作91年版の僕の感想文はこちら↓
https://www.fujitv-view.jp/article/post-89470/
ここにもある通り、僕的前作『東ラブ』の魅力は、
①恋愛純度99.2%
→つまり仕事描写ほぼなし
②キャラ萌えじゃない
→かっこいい!かわいい!だけじゃない
③「ラブ・ストーリーは突然に」いつかかる?
→小田和正待ち
④立ちはだかる“さとみ”
→恋路を邪魔する女のバリエーションショー
⑤「カーンチ!」3段ズームのサンドイッチ
→ハイテンション演出
⑥最大の魅力は「結末」
→恋愛ドラマなのに!?
この6点。
新しい、令和版の『東京ラブストーリー』なのだから、
その流れを全て汲むことはしなくていいし、比べることもないんだろうけれど、
敢えて前作と比較するならば、
”テンション低め”
でしょう。
前作のリカも演出も、圧倒的にテンションが高い。
保奈美リカは登場3秒でカンチを好きになって、「カーンチ!」って言っちゃうキャラで、「カーンチ!」「ずっちーな!(ずるいな!)」のシーンでリカに3段ズームさせる演出なんだから、そりゃあもうテンション高めでしょう。だからこそ名台詞「セックスしよ!」っていうトンデモワードすら、生々しくないんです。
さて、今作はどうでしょう。カンチの情けなさ、三上くんのプレイボーイ感、さとみの腹立つ感じ、そのどれも前作をかなり踏襲しています。三上くんの研修医設定に関しては、前作江口三上くんではアクセサリー的設定だったのに対し、今回は医者一家に生まれ…的な鬱屈した影もちらつかせる、医療モノが乱立している今だからこそ、恋愛ばかりにうつつ抜かしてる研修医はリアリティに欠け浮いて見える…からこその現代版エッセンスが多少加わりアップデートがなされています。(いや、前作でもそんな設定あったかもだけど、江口版よりはかなり鬱屈感あり)
ただ、リカだけが全くと言っていいほど違います。テンションは低いし、前作ではカンチとは友達感覚の同僚だったのに対して、今回は結構かなりの先輩感。そして何より、前作が登場3秒でカンチを好きになる…ように見えたのに対し、今回はカンチのことが気になる…なんだか面白そうだし…という雰囲気。もちろん前作の保奈美リカも、カンチはなんだか面白そう…ってのはあるんだけど、それよりも何よりもカンチのこと、開始3秒で、圧倒的に好きなんですよ。だからこそ、そんなテンションだったからこそ「セックスしよ!」だし、さとみにフラフラするカンチに対しての切なさや、このドラマの最大の魅力”結末”に効いてくるわけです。ただあのハイテンションは、あの頃の景気も良かった時代観も相まって成立したキャラクターだったんでしょう。それを現代版にすることで、より冷静に、少し一歩引いて、だけど恋徐々に落ちていく姿のリカにする…ってことなんでしょうか。プロフィール見たら、東京渋谷区育ちだしね!!(前作は帰国子女。帰国子女だからこそのハイテンション!)
びっくりするくらいお話しの筋は前作を踏襲しているので、その”圧倒的に違うリカ”を楽しんで見ていきましょう。
※2020年版『東京ラブストーリー』はFODにて配信中です!